恐竜・白亜紀ゆるゆる学習帳

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ティラノサウルスの全身化石【スタン】が33億円で落札

いやいや、ビックリ!です。
33億円!! ですよ。
世界中で大人気のティラノサウルスの全身の化石とはいえ、いくらなんでも・・・

 

ティラノサウルスの頭部の化石

ティラノサウルス

 

みなさま、こんにちは。
カズヒロ@ウォーカーです。

 

 

ティラノサウルス全身化石が33億円で落札される

下記がその記事です。

2020年10月6日、そのスタンがオークション会社クリスティーズで競売にかけられ、3180万ドル(日本円で約33億円)で落札されるという事態が生じた。落札額は化石の競売としては最高額だ。落札者が誰なのかは今のところ(20年10月13日現在)明かされておらず、専門家はスタンが永久に科学の世界から失われてしまうのではないかと懸念している。
Yahoo!ニュース:「33億円で落札のティラノ全身化石、今後の研究に懸念も」より 2020/10/16配信

 

そもそも、この記事のタイトルを読んだ人は、たいていの人が疑問に思うのではないですかね?


なんで、そんなものが売られちゃうの?って。
買う人がいるんだ。
で、ティラノサウルスの全身化石を買った人は何がしたいの?と。

 

なぜ、T・レックスの化石が売られてしまうのか?

なぜなのでしょうね?
日本の私たちからすると、すごく不思議なことなのですが、他国ではこういう取引(自然遺産の)は普通なんでしょうか?

だいたい、ティラノサウルスの全身化石を買おうってヤツがいること自体が驚き。

要約するとですね、ブラックヒルズ研究所の取締役なる人物がビジネスでのトラブルで取締役を解任された。

これに対して、その元取締役は研究所に財産を売って自分の持ち株への支払うよう要求した。

裁判所も、「スタン(T・レックス化石の愛称)」を売って、元取締役氏へ支払いなさいと命じた。

ただし、売った後も研究所はスタンに関する権利を持ち続けている。

簡単に言うと、「金を払うために、ティラノサウルスの化石を売った」ということですねえ。

 

スタンの落札者は誰?

T・レックスの化石を落札したのは研究機関などではないそうです。

つまり、誰かの私物。

個人の所有物ということになれば、公開されるかどうかも分からないし、研究したい人たちが自由に研究することも難しくなるのかな?


う~ん、一般公開して欲しいですね。

(見に行けるかどうかはともかく)見てみたいです。

どうか、落札者が心の広い人でありますように・・・

 

恐竜化石発掘、その他の問題点

化石の発掘やその取扱いについては、他にも問題点がありそうです。

 

恐竜に関する詳しい情報本について記事を書きました:最新の恐竜常識を学ぶための教科書『大人のための恐竜教室』

 

国有地か私有地か

記事によると アメリカ合衆国の場合、国有地で発見された化石=公共の財産、民間の土地で発見された化石=売買可能、だそうです。

国有地で発見された化石は、研究できる者が限られる、公共の利益にかなうように利用される、保管場所も限られるなどの縛りがあります。

これに対して、民間の土地で発掘された化石は自由に売買できるため、研究に供するよりも儲かるとなると・・・

しかも貴重な化石であるほど、「高く売れる!」ということになれば、売る方を選ぶ人が増えることが予想されますよね。

 

公共の研究機関には出せない額

スタンのように超有名な化石(ティラノサウルスの全身化石)ともなると、そもそも値が張るでしょう。

そこに輪をかけるのが注目度です。

宣伝されればされるほど、入札者が引き付けられます。

化石の値段もどんどん高くなり、研究機関などの予算では太刀打ちできない額になります。

当然、他の用途に予算を使うことを要求されますよね。

 

競売が正しいのか?

これは、最初に思ったことです。

誰か作者がいる作品であれば、自由に売り買いする場に出すのは当たり前ですが、化石は誰が持ち主というものではないです。

自然の遺産ですから、競売ってどうなんでしょうか?

今回のT・レックスの化石も、2人の入札者が競り合ったために高額なものになったと言われます。


ちょっとどうなの?って思いますよね。

転売できるようなモノでもないですし、自分だけで見て楽しむ?

あるいは、とんでもない大金持ちの研究者で、自分だけでやりたいように研究する?

いずれにしても、落札者の情報は無いようです。

 

生物学者たちが、このティラノサウルスの化石‐スタンの新しい所有者に対し、「標本を博物館か研究機関へ寄付するよう呼びかけている」とあります。


でも、寄付するぐらいなら最初からこんな高額で落札しないでしょうし、何を考えているのやら。


まあ、化石を商品として扱うことが良いかどうかは、神のみが知ることなのかもしれませんね。

 

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