恐竜・白亜紀ゆるゆる学習帳

恐竜、古生物好きのブログです。中世代、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀、恐竜、首長竜、魚竜、翼竜、大量絶滅・・・その時、何が起きたのか?

日本にもこんなに恐竜がいた!「楽しい 日本の恐竜案内」

「楽しい 日本の恐竜案内」表紙

「楽しい 日本の恐竜案内」表紙

「楽しい 日本の恐竜案内」は株式会社平凡社より発行されている「太陽の地図帖」シリーズの中の1冊。

文字通り、これまで(2018年ごろ)までに発見された恐竜たちと、その発掘の舞台となった町や発掘にたずさわった人々のエピソードなどを紹介しています。

恐竜を訪ねて日本各地を旅する、なんていう旅企画も面白いのではないでしょうか?

 

 

かつて日本にもたくさんの恐竜がいた

「楽しい 日本の恐竜案内」には数多くの日本の恐竜たちが紹介されています。

お恥ずかしながら、日本でもこれだけ多くの恐竜化石が発見されているとは知りませんでした。

ニッポノサウルス、むかわ竜(カムイサウルス)、モシリュウ、フクイラプトル、フクイサウルス、フクイティタン、フクイベナートル、タンバティタニス、etc

まだまだ他にも数多くの恐竜化石が! 日本にもたくさん!

特に、近年、新属新種とされる恐竜化石の発見が相次ぎ、大きな話題にもなっていますよね。

カムイサウルス・ジャポニクスやヤマトサウルス・イザナギィ、等々。

これからも、日本各地で大発見が続くことでしょう。大いに期待したいですね!

関連記事:ニュース「世界最小の恐竜卵、ギネス記録認定 兵庫県丹波市で発見」2020.8.5

 

カムイサウルスの全身骨格化石

日本の竜の神ーカムイサウルスの全身骨格化石

日本では恐竜は見つからない?

以前は、40年ぐらい前かなあ? 「日本では恐竜は見つからない」といわれていた時代もありました。

「日本には恐竜いなかったのかなあ?」などと子供心に思ったものです。

そんなことも遠い昔の話。

モシリュウが発見されたときのことでしょうか?

大きなニュースになったのを、かすかに憶えています。

このモシリュウの発見が、その後の日本の恐竜ブームにつながっていくんですね。

「日本でも恐竜の化石を見つけることができるんだ!」という、ある種あたり前の事実(当時はあたり前ではなかった)が確認できたことは大きな転機になったんだろうな、と思います。

それから少しあとに、福井県でフクイラプトル・キタダニエンシスとかの化石が発見されて、日本の恐竜ブームが本格的になっていきましたよね。

けっこう保存状態の良い全身骨格の化石が発見されるようになり、そういう化石の実物を見ることができるようになったことも大きいです。

さらに、映画「ジュラシックパーク」が日本でも公開され、メキシコで隕石衝突の証拠が発見され・・・

恐竜博2019でも、本当に多くの人が国立科学博物館に足を運んでいました。

関連記事

国立科学博物館真鍋真先生の本:最新の恐竜常識を学ぶための教科書『大人のための恐竜教室』

 

良い母親トカゲーマイアサウラの全身骨格化石

良い母親トカゲーマイアサウラの全身骨格化石

恐竜をめぐる旅の提案

「楽しい 日本の恐竜案内」は、恐竜の専門的な解説をする本ではありません。

「恐竜をめぐる旅っていうのも、たまにはいいよね」という大人に向けた、旅の提案書です。

読み物として面白く、想像力を刺激されるようなというと、お分かりいただけるでしょうか?

もちろん、恐竜についての解説もなされています。しかし、それよりも化石を発見した人、発掘現場、町、発掘のエピソードや博物館の紹介などがメインです。

北海道むかわ町群馬県神流町福井県勝山市兵庫県丹波市、いずれも現在、恐竜の里として知られる町ですね。

これらの紹介記事を読んでいると、各地の博物館や発掘現場をとっても訪れてみたくなります。

恐竜をめぐる旅をするなら、化石発掘体験とか化クリーニング体験なんかができるといいですよね。

モノからコトへ、これは数年前から観光業などで盛んに唱えられている合言葉。

せっかく時間とお金を使って旅をするのなら、単なる観光地巡りではなく「何かを体験する旅」というのがいいですね。

その土地ならではの体験ができるというのは、大きなポイントです。

関連記事

福島県の「双葉」層群で見つかった首長竜をめぐる話:「フタバスズキリュウ」をめぐる研究者のもうひとつの物語

 

暴君竜ーティラノサウルスの化石正面

暴君竜ーティラノサウルスの化石正面

最後に

「楽しい 日本の恐竜案内」のような旅の指南書が、恐竜をターゲットにして出されるというのは、非常に嬉しいことでもあります。

この本で日本の恐竜に興味を持ち、各地の博物館や発掘現場を訪れ、恐竜についてさらに深く知りたくなる。

そんな時はとても勉強になる本もたくさんあります。

今は、大学や博物館などで開催されるセミナーや講演会なども参加してみると面白そう。

特に、この2年ほどはウェブでのセミナーなども盛んに行われているようです。

ウェブセミナーなら、場所を選ばないので、参加しやすくなりますよね。


ちょっと横道にそれてしまいました。要するに言いたかったことは、「恐竜を学ぶことは、それだけ面白い」ということです。

毎年のように新しい発見があり、過去のデータがどんどんと書き換えられ、つぎつぎに知識をアップデートしていかなければなりません。取り残されてしまう。

恐竜学習には、ホントに興味が尽きることがありませんね。

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恐竜の絶滅の原因は何か?「決着!恐竜絶滅論争」岩波科学ライブラリー186

約6,600万年前の白亜紀末期、それまで地球上で最も栄えていた恐竜が、突如として絶滅の危機に瀕しました。
そう、鳥類を除いた恐竜はこの時に絶滅します。
「決着!恐竜絶滅論争」は恐竜絶滅の原因をめぐる科学者の論争を解説した本です。

みなさま、こんにちは。
カズヒロ@ウォーカーです。

もちろん恐竜絶滅の原因についても詳細に解説はされています。
皆さま、ご安心ください。

 

 

恐竜絶滅の原因論

「決着!恐竜絶滅論争」は、今は定説となっている恐竜絶滅の原因「小惑星衝突説」について、さまざまな論争を経て定説となった経緯について書かれています。

一般社会に広まりつつあった誤解を解くため

小惑星衝突説は1980年に発表された論文が元になっています。
その後、チチュルブクレーターが発見されるなどして、徐々に定説となっていきます。

*チチュルブクレーター:メキシコ ユカタン半島にある小惑星衝突跡

一方、世間一般には、「研究者の間でも、まだまだ論争が続いている」、「いや、実は違ったんだよ」というイメージすらあったと。

学会、研究者とメディア、あるいは世間一般の間のにあるギャップ。
これは小惑星衝突説をとる研究者たちがキチンと情報発信してこなかった、あるいは情報発信が足りなかったために起こった。

かたや、小惑星衝突説を否定するような論説は目立ちますし、インパクトもある。
世間に誤って広められることもあるでしょう。

ここが問題だと認識し始めた一部の研究者が、正確な情報を発信しようと動き出します。

大量絶滅の謎を解くカギ

「決着!恐竜絶滅論争」に記されている絶滅の原因について、細かくは書きません。

ただし、白亜紀末に絶滅してしまった生物と絶滅を免れた生物の比較から得られたキーワードを述べます。


本書によると、

光合成
K/Pg境界直後の様子
淡水

北半球

だそうです。

*K/Pg境界:白亜紀/古第三紀の境界のこと 約6,600万年前

絶滅原因論争において重要なキーワードで、これらを全て説明できる説でなくてはならないとされています。


絶滅を免れたのは?

白亜紀末の大量絶滅時代を生き延びたのは、鳥、哺乳類、淡水に住む爬虫類、両生類などの一部です。
重要なのが、光合成生物に依存していないということ。

食物連鎖ならぬ、「腐食連鎖」の環の中にいた生き物たちです。

*腐食連鎖:落ち葉、朽木、菌類、昆虫、生物の死骸などを食べる生物の連鎖


もう一つ、「淡水環境」です。

なんか不思議ですよね。
腐食連鎖は分からなくはないのですが、淡水に生息することが、なぜ大量絶滅を生き延びられることにつながるのか。

淡水に生息しているだけで生存確率がグッと上がる。

この不思議な現象も、もちろん小惑星衝突説では説明されています。

 

恐竜絶滅,小惑星衝突

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

いくつかの反論

ここで、「決着!恐竜絶滅論争」に記されている反論について少し。

反論1:漸進的絶滅説

恐竜は長い年月の間に、環境の変化などにより徐々に数(個体数や種類)を減らしていき、最後には絶滅したとする説。

反論2:火山噴火原因説

デカントラップという、とんでもない規模の噴火が気候変動や大気汚染を引き起こし、恐竜を絶滅させたとする説。

デカントラップ:インドのデカン高原にある白亜紀末から古第三紀にかけて噴出した玄武岩層のこと

反論3:小惑星衝突無関係説

文字通り、小惑星衝突は恐竜の絶滅に無関係だった、与えた影響は非常に軽微だったとする説。

各論の検証

「決着!恐竜絶滅論争」の5章で双方の論の検証が書かれています。
個人的に、この章が本書の中でもっとも読みごたえのある部分だと思っています。

小惑星衝突説の検証

先に提示した五つのキーワード、光合成、K/Pg境界直後の様子、淡水、酸、北半球を説明されます。
ここで、私が一番疑問だった「淡水」に対する回答も得られました。

この解説は素人の私にも分かりやすかったです。

あ~、スッキリした。

ここで解説すると長くなりますので、興味のある方はぜひ、本書を読んでみてください。

反論の検証

当然、反論に対し間違っているところ、不十分な内容の指摘なども分かりやすく解説されています。

特に、原因説としては、小惑星衝突説に対立する「火山噴火説」の不確かさをできれば、小惑星衝突説に有利になりますよね。


まあ、ここはキチンと論破しているのですが。


そして、「衝突説では説明できない。だから火山噴火説が正しい」では話にならないと、著者は語っています。

 

最期に

「決着!恐竜絶滅論争」はページ数もさほど多くなく、内容も科学論争を扱っているにしては理解しやすいと思います。

案外すぐに読めてしまいますが、内容は深いです。

K/Pg境界の入門書としても非常に優れた本ですね~。


それでも、まだまだ解明しなければならない謎も数多く残っていると著者は語ります。

論争には一応の決着がついた形ですが、新たな研究成果に基づく新たな恐竜絶滅原因論争も見てみたい気もしますね。

 

関連記事:白亜紀末の隕石衝突後に、いったい何があったのか?

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恐竜学の入門書にも最適!?「鳥類学者 無謀にも 恐竜を語る」川上和人

鳥は恐竜から進化した。いや、川上先生は、「鳥類は恐竜だ❗️」とのたまっている。

ハトを見て、恐竜と思えるかどうかは別にして・・・

「鳥類学者 無謀にも 恐竜を語る」は、恐竜学入門の書として最適です。

 

え?

本職は!?

鳥を追っかけて、あっちこっち飛び回ってる研究者じゃなかったでしたっけ??

 

 

「鳥類学者 無謀にも 恐竜を語る」は鳥類学者が書いた恐竜入門書

 

鳥類学者無謀にも恐竜を語る 表紙

鳥類学者無謀にも恐竜を語る

 

鳥類学者無謀にも恐竜を語る/川上和人

 

 「鳥類学者 無謀にも 恐竜を語る」は立派な恐竜学の書であります。

つまり、鳥類は恐竜から進化した、そうすると広い意味で、鳥類学者=恐竜学者ということになるから。

 

鳥類から恐竜を考える

 

川上和人先生は、NHKのラジオ子ども科学電話相談の人気講師でもあります。

ですが、著名な鳥類学者というのがその正体。

 

 この本のコンセプトは、現世の鳥類から恐竜を考える、だと思います(かってにそう思ってます)。

 

未知の魅力が満載の恐竜学に挑む、鳥類学者。

恐竜の専門家ではないことを逆手にとって、大胆な仮説を繰り広げる。

 

恐竜から鳥へ。

いかにして、進化していったのか。

もしかして、こんな感じだったのではないか。

 

恐竜から鳥類への進化の過程を、川上先生ならではの視点と現在の事実を総動員して、優しく、読みやすく解説した書です。

 

その博識ぶりと文章の面白さに魅かれる

 で、それはいい。

本著作の面白さは、ひとえに川上先生の書く文章と、その博識ぶりにあります。

生物学の専門家として、という以上に、え?という知識をお持ちです。

 

真面目な文脈に、ちょくちょく可笑しい表現をぶちこんできます。

 この人は文筆家としても大成したのではなかろうか、と思えるほど。

 

さらには鳥、恐竜のみならず、その他の生物、爬虫類、哺乳類、虫・・・ドラえもんゴジラキングギドラまで。

 

その博識ぶりには驚かされます。(特に、欄外の脚注の記述は驚かされます。同時に、ああ、自由に書いているなあ、と。) 

 

キングギドラなんてでてこないよね、普通。

 

関連記事:最新の恐竜常識を学ぶための教科書『大人のための恐竜教室』

 

研究者として大事なことは何か

 

 ちゃんと、本書の内容に触れましょうかね。

 

まず、現在の恐竜学において、分かっていることと分かっていないことを、優しく丁寧に解説していること。

 

これ、大事。

たぶん、古生物(恐竜)学に興味を持てない人はここでつまずくのだと思います。

 

その点は問題なし。

 

分からないことにはキチンと仮説を立てる

 

その分からないこと、分かっていないことにたいして、(多少乱暴ではありますが)想像されること、あるいは、こうだったに違いない!という仮説をキチンと提示しています。

 

そして、その部分が「鳥類学者 無謀にも 恐竜を語る」を読むうえでの醍醐味にもなっています。

 

たぶん、読者も仮説、進化の可能性とでもいうところでしょうか、一番知りたいと思っていることでしょう。

 

ただ、少々飛躍しすぎ?

いやいや、本職の生物学者ですから。

ポイントはしっかり押さえて、外しすぎてはいないと思います。

 

生物の進化の仕組みであるとか、逆になぜ絶滅してしまったのかとか。

 

かなり突っ込んだ内容の部分もありますが、表現の巧みさもあり非常に理解しやすく書かれています。

 

 

若い人たちに読んで欲しい

 「鳥類学者 無謀にも 恐竜を語る」は、中学生なら普通に理会できる内容だと思いますし、ぜひ若い人に読んでほしいと思います。

 

この本を読んだ若者の中から、将来、著名な鳥類学者や古生物学者が出たらイイですね。

 

ただ、おそらく、川上先生は恐竜人気をうまく利用して、鳥類研究へと進む若者を増やしたいのだと思いますよ。

 

一緒に鳥の研究をしてくれる若い人を、いっぱい増やしたいというのが本書の最大の目的なんだと思います。

 

鳥類学者の多少の妬み、やっかみはありそうですが、ぜひ、ご一読いただければと思います。

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「フタバスズキリュウ」をめぐる研究者のもうひとつの物語

フタバスズキリュウ

日本で発掘された中で、一番有名な竜。

多くの子どもたち、そして大人たちにも親しまれているドラえもんの映画のキャラクター、ピー助のモデルになった(と言われている)首長竜です。

 

みなさま、こんにちは。

白亜紀が好き!です。

 

学名では「Futabasaurus suzukiiフタバサウルス・スズキイ」と言います。

和名「双葉鈴木竜」、漢字での表記があったのですね。なんかカッコイイ。

でももしかすると、今もフィーバーぶりが記憶に新しい、「ムカワリュウ」の方がメジャーなのかな?

 

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フタバスズキリュウ もうひとつの物語 佐藤たまき


 

恐竜大好き少女が首長竜の研究者になるまで

 

本書は、一人の恐竜大好き少女が、首長竜の研究者として独り立ちするまでの苦闘の物語を描いています(わりとユーモラスですが)。

 

概要

 

一応基本情報を載せておきます。

フタバスズキリュウ(和名:双葉鈴木竜、学名:Futabasaurus suzukii )は白亜紀後期サントン階(約8500万年前)に日本近海に生息していた首長竜。爬虫類双弓類プレシオサウルス上科エラスモサウルス科に属する。日本国内で化石が初めて発見された首長竜として著名。発見から38年後の2006年にようやく新属新種として正式に記載された。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』フタバスズキリュウ より

 

しかしながら、この本はフタバスズキリュウについてについて詳しく解説した本ではありません。

一人の古脊椎動物、爬虫類という超マイナーな(失礼!)分野の研究者、佐藤たまきさんの奮闘記です。

 

さいころは恐竜が大好きだったという少女。

大人になって、当然のように恐竜研究者を目指します。

 

古生物研究者としての苦労話が面白い

 

ですが、当時は恐竜の研究が日本国内では十分にできない、また他に女性研究者もいない(そもそも理系を専攻する女性自体が少ないというのが現実)。

恐竜から首長竜の研究者へと変わっていった経緯。

研究を続けるために北米に留学することになるのですが、当地での学生生活や研究生活、就職活動の苦労などが面白く描かれた物語です。

 

ところが気負ったところがまったくない、ユーモアたっぷりの文章で、苦労話が苦労っぽく感じられないところやクスっとさせてくれるような場面がたくさんあります。

 

小難しい表現も使われていません。

初志貫徹の大切さとか、夢を追い続けることの尊さとか、大切なことを教えてもらっているような気もします。

今だからこそ是非、多くの中高生に読んでほしい一冊です。

 

 

フタバサウルス・スズキイの名付け親に

 

さまざまな苦難を乗り越え、ついに「フタバサウルス・スズキイ」の名付け親になる日が来ます。

 

フタバサウルス・スズキイの由来

 

 本書のクライマックスは「フタバサウルス・スズキイは新種の首長竜である」と、彼女が書いた論文が認められた瞬間でしょう。

 

ちなみに、名前の由来に関してですが、発見された地層の「双葉」層群(福島県いわき市)の「フタバ」と、化石を発見した鈴木直さんの苗字の「スズキ」を取ったそうです。

フタバサウルス属のスズキイという新種(末尾のイはラテン語の語尾変化で男性を表すそうです)ということ

 

もう一つ、発見されたのは1968年。50年以上前です。

かすかに記憶がありますが、その頃は「日本には大型の恐竜などはいなかった」「大型爬虫類の化石は出土しない」とする説がまだまだ根強くあった時代だったような・・・

 

当時、高校生だった鈴木さんが「化石はあるはずだ」との信念?で探し当てたものだそうです。

このあたりの話も、若い、特に研究職を目指している方たちに伝えたい逸話です。

 

正式に名付け親に

 

話がだいぶ逸れました。

この時(2006年5月)の報道は、何となくですが覚えています。

かなり注目を集めていましたよね。

 

この論文が認められたことにより、佐藤たまきさんが「フタバサウルス・スズキイの正式な名付け親」になります。

 

日本とカナダを行き来しながら論文を書くのはかなり大変だったろうと思うのですが、彼女のキャラクターがその大変さを感じさせません。

そうそう、その頃の話もかなり面白いのですが、その面白さの大部分がそのキャラクターにあるのではないかと?

 

今は研究者としても教育者としてもご活躍の著者ですが、実にひょうひょうとした研究者らしく見えない(個人的感想)彼女のイメージが、本書の最大の魅力なのかもしれません。

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最新の恐竜常識を学ぶための教科書『大人のための恐竜教室』

『大人のための恐竜教室』は恐竜についての最新の知識・常識を学ぶのに最適な教科書です。

  

みなさま、こんにちは。

白亜紀が好き!です。

 

大人が最新の恐竜学を学べる教科書『大人のための恐竜教室』

 

子どもの頃に恐竜が好きだったという紳士淑女のみなさま。

恐竜常識というものが常に大きく変化していることをご存じでしょうか?

その恐竜に対する常識のギャップを埋めてくれるのが、本書「大人のための恐竜教室」です。 

 

 

ダイナソーキッズに対抗するための知識武装

 

みなさんは、NHKラジオの「子ども科学電話相談」という番組を聞いたことがありますか?

多くのチビッ子たち(のみならず、大きなおともだちも)に大人気のラジオ番組です。

番組内容はタイトルからお察しいただけると思いますが、子ども電話相談と侮るなかれ、なかなか奥の深い番組です。

いくつかの人気ジャンルがあるのですが、一番人気は、もちろん「恐竜」です。

今度、是非一度聞いてみてください。

チビッ子たちのとんでもない恐竜愛と豊富な知識に驚かされます。

 

日々アップデートされる、恐竜の最新情報を常に【最新の図鑑で】仕入れているため、我々大人よりも最近の情報に詳しいのです。

彼ら、彼女ら(ダイナソーキッズには女の子も多いです)に対抗するには、こちらも知識武装するしかありません。

 

大人が恐竜について学ぶための教科書

 

そのための教科書が「大人のための恐竜教室」です。

国立科学博物館真鍋真先生と評論家の山田五郎さんとの対談集。

一見、軽い雑談集なのかと思いきや、なんのなんの、結構本格的な議論をしています。

恐竜を子どもだけのものにしておくのはもったいないという気にさせてくれる一冊です。

大人のための恐竜教室

 

恐竜学に関する最新情報

 

そもそも、「恐竜とは何か?」という定義を問われたときに、あなたは答えられますか

 

恐竜とは何か?

 

恐竜を、恐竜たらしめているものは何か? 

答えられませんでした。私も。

 

この本を読んだ今なら分かります。

実に意外な答えでしたが、今ならしっかり答えられます。

 

鳥は恐竜から進化したってホント?

 

最近、知りました。

が、「大人のための恐竜教室」を読んでより深く理解することができました。

この、恐竜から鳥への進化の話は、一番面白いところ。

この本のクライマックスとも言える部分です。

 

恐竜の分類に関する話も実に興味深い。

 

ざっくり骨盤の形で、恐竜を2つのグループに分けた経緯。

一応の決着は見たものの、新たな説が出現していること。

新たな証拠(化石)が出れば情報が更新され、今現在もまだまだ変化し続けている恐竜学(古生物学)。

その変化をも楽しんでしまいましょう、というアプローチ。

 

なぜ恐竜は絶滅したのか?

 

おそらく、多くの方が白亜紀末の巨大隕石落下については聞いたことがあると思います。

しかし、それだけではない複雑な環境の変化をもたらす現象があったということ。

そこを生き残った生物たちについて、等々

 

本当に興味は尽きません。

 

まさに「大人のための」恐竜に関する最新情報を提供してくれる本

 恐竜学者と恐竜好きの評論家が語り尽くした、大人のための恐竜入門です。

そして、この本をきっかけにして、多くの大人たちに恐竜について興味を持ってもらえたら・・・

 

恐竜学を学ぶ 関連記事:恐竜学の入門書にも最適!?「鳥類学者 無謀にも 恐竜を語る」川上和人

 

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