白亜紀末の隕石衝突後に、いったい何があったのか?
恐竜(含む多くの生物)が絶滅した6,600満年前の隕石衝突(白亜紀末-古第三紀(K-Pg)境界)時には何が起こって、どうなったのでしょうか?
最新の研究成果「隕石衝突後の環境激変の証拠を発見」という記事を読みました。
この白亜紀末に起きた大事件、本当に興味があります。
どんなだったんでしょうね?
本当に知りたい!
隕石衝突後、大規模な酸性雨が発生発生していた証拠を発見
この、白亜紀-古第三紀(K-Pg)境界について、いろんな本やウェブサイトの記事を読んできました。
どんな恐竜がいたのか、あるいは恐竜の進化について、同時代の他の生物たち、etc・・・
面白い、学びたいテーマはたくさんあるのですが、やはり一番興味があるのは白亜紀-古第三紀(K-Pg)境界についてです。
白亜紀末、隕石衝突後に何が起こった?
今日もウェブサイトをいろいろと見て回っていて、面白い記事を見つけました。
これは、新しい研究の成果です。2020年2月5日ということですので、本当につい最近です。
隕石衝突後の環境激変の証拠を発見 〜白亜紀最末期の生物大量絶滅は大規模酸性雨により引き起こされた?〜|日本原子力研究開発機構:プレス発表
【研究成果のポイント】
大型放射光施設SPring-8の放射光を用いた微量元素マッピングを用い、約6600万年前の白亜紀-古第三紀(K-Pg)境界層に、銀・銅に富む微粒子が含まれていることを世界で初めて明らかにしました。
これらの微粒子の存在は、この時代に大規模な酸性雨が降ったことを示しています。
K-Pg境界における恐竜を含む生物の大量絶滅は、巨大隕石の衝突に伴う環境の激変(太陽光遮断、温暖化、酸性雨など)が引き金となっています。しかしながら、どのような激変が実際に起こったのかは、これまで不明でした。
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 HP隕石衝突後の環境激変の証拠を発見 〜白亜紀最末期の生物大量絶滅は大規模酸性雨により引き起こされた?〜 より引用しました。
面白いのが、この記事、日本原子力研究開発機構のウェブサイトに載っているんですよね。
なかなか見つけにくいところにあります。
まあ、それはいいとして。
白亜紀-古第三紀(K-Pg)の間で起きた環境の変化に関して、初めて1つの仮説を証明する証拠が提示されたということのようです。
大規模な酸性雨が地上に降りそそいだ
約6600万年前ごろに地球に巨大隕石が衝突したことが、当時の生物の大量絶滅につながったということはよく知られているところです。
その隕石衝突後の環境変化に関しては、十分に解明されてはいないということです。
それはそうですよね。当時を振り返る資料はほぼ化石、あるいは地中に埋まっている何かしかないわけですから。
巨大隕石が地球に落下したのは事実。
地球環境に大きな変化が起きたことも科学的に説明できる。ただし、証拠がない。
今回の研究でようやく、酸性雨に関しては決定的な証拠を発見できた、ということですね。
研究の成果と今後の展開
もともと、K-Pg境界にあたる地層に、隕石由来の物質(イリジウムなど)が多く存在することから巨大隕石衝突説が提唱されました。
しかし、K-Pg境界には銅、亜鉛、銀、鉛などの元素も多く含まれています。しかもかなり高濃度で。
そこから、隕石以外の要素に着目し、この事実を説明する原因を突き止め、大量絶滅屁とつながる環境の変化を明らかにしようとした。と説明されています。
成果
読んでみて、要するにこういうことだろうと思います。
地球に隕石が衝突する→地面から酸化物が放出される→大規模酸性雨をもたらされる→地中から銀や銅が海洋に大量供給される→その環境変化が大量絶滅を招いた(可能性が示された)。
調査した場所では、銀や銅の濃度がイリジウム濃度と高い相関関係を持つため、同時期に集積されたものと考えられる、ということです。
今後の展開
これで、白亜紀末の大量絶滅と隕石衝突の因果関係について、一歩前進というところでしょうか?
いろんな場所で行うことで、酸性雨の規模や期間などが明らかになります。
何が起きたのかを知る手がかりが一つ増えましたね。
さらに、隕石衝突以外の原因、火山噴火などで起きる酸性雨などにも使えるようで、過去の酸性雨の生物への影響がわかることで、将来への対策に応用できるのではないでしょうか?
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